卯月書庫

卯月書庫 ―Hero's Life2―

マンガ・小説・etc.の読書解釈文ブログ

可憐さなし浪漫なし。あるのは怒涛の笑いと女の意地!

 『大正ガールズエクスプレス』

           日下直子 講談社(キスコミックス) 全6巻

 

少女たちの友情、

少女たちの青春、

とつづけばもう、私の心は

女学校(生)でいっぱいです!

ここは吉屋信子の『花物語』などなど乙女小説や

中原淳一のような抒情画について

語るべきかと思うのですが、

やはりここは大好きな漫画でいかせてください!

『大正ガールズエクスプレス』!

 

ギャグ、ハイテンション、

お笑い要素盛りだくさんでお送りされております!

乙女小説のような可憐な雰囲気はみじんもありません 笑

とはいえ、

当時の女性の“こうあるべし”とか

貧困問題、サナトリウムに暮す幼い子供たちなどなど、

華やかな部分ばかりでない大正時代も題材に

千世とよし子の主人公ズの奮闘、

絶妙に織り込まれたギャグで、

暗くなりすぎず

二人とともに時代を変えていけるような、

そんな感覚を味わいました。

 

彼女たちの奮闘は

風刺漫画を描くことからはじまるのですが、

ただの猿真似ではなく、

まったく新しいものを生み出していきます。

それは絵物語からはじまり、

絵に文章を織り込み、吹き出しをつけ、

効果線を見つけ、一冊の本にし、

最終的にはコマ割りを見つけ出す……。

まさに今のマンガそのものの形が出来上がっていくのです。

マンガ好きにはたまらない展開でした!

 

そして最後に忘れちゃいけない

マリ子の存在を……!

よし子の相棒として生み出された

丸い物体に布を被せゴムでとじ、

目鼻口を描かれたマリことマリ子。

千世様にぶん投げられたのち人に拾われ、

よき相談相手となり、

体を得、

時に時代の解説者、

時に作者の分身となり、

果ては全巻裏表紙を乗っ取る!

カバー裏も乗っ取る!

影の主役マリ子。

「あ、この子だな」とすぐわかりますので、

どこかで見かけた際は本編とともに、

カバー裏、

および巻末のおまけマンガも

チェックしてみてください。

周りに人がいないことを確かめてから……。

 

 

 

余談

乙女小説は吉屋信子の『花物語』(河出文庫 上下巻)と

川端康成の『乙女の港』(実業之日本社文庫)を

もっているのですが、

なんといっても文章が美しい。

気品そのもの。

お嬢様に対する憧れの一つに

言葉づかいの美しさがあるのですが、

まさにそれ。

で、音読したくなります。

音読したところで言葉遣いがどうなるわけでもないですが 笑

 

 

 

そしてそして

大正浪漫といえば、私の中では抒情画でして。

少女雑誌に載っていたイラストたち。

特に高畠華宵が大好きで、

ちょっと大人びた、写実的な、

“耽美”という言葉がしっくりくるイラストが

私の好みド直球なのでした~。

↓華宵のイラスト満載で(カラーも白黒も)大満足!